亀岡祭り

 近隣県の人間にしてみれば、京都は京都、亀岡亀岡、全然別の街なのではあります。産品とか家屋のつくりとか、亀岡まで行くと、やはり丹波地方の雰囲気が濃厚です。
 
 それなのに「京都」のカテゴリーに入れたのは、亀岡祭に行ってきたから。
 滋賀の大津祭と並んで、京都・祇園祭と共通する要素や雰囲気を濃厚に有するお祭です。ひと呼んで、「口丹波祇園祭
 
 近年は、7月に祇園祭で夏を迎え、10月に大津祭で遥かに去り行く夏を見送る、というのが恒例になっていたのですが、今年は奈良アートプロムにずっぷり関わっていたために大津へ行けず、そのかわりに亀岡へ。

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 行ってみると、期待以上に素晴らしいお祭りでした。
 亀岡市は、京都からひと山越えた盆地に位置する小都市ですが、やはり京都文化圏。洗練された、みやびなお祭りです。
「湖族」の活力でお囃子も元気な大津祭と比べて、山国丹波亀岡祭は、山鉾もお囃子も、しっとりと優しく美しい。
 
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↑蛭子山の懸装品(見送り)の、オランダ人図。南蛮屏風か何かからの写しでしょうか。鎖国時代の日本人の、異国へ寄せる想像力が生んだ、なぜかヤギを連れた女性。

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↑お囃子を奏でる子供たち。京都では女人禁制を守っているようですが、ここではむしろ女の子のほうが多いくらいです。

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↑京都では絶対に見られない「夜間巡行」。人ごみがすくないので、一緒にぞろぞろとついて歩くことができました。

 歴史都市亀岡の人々が、いかに自分たちの街を愛し、歴史を重んじ、文化を育んでいるか。宵山の街を歩いていると、それをつよく感じます。
 
 静かな町並みも美しく――言いたくないけれど、近代化しすぎた京都の都心部よりも美しく――あるいは、古き日の祇園祭の面影を求めるなら、10月を待って亀岡へ赴くべきなのかもしれません。