マレーシア旅行⑤クアラルンプルの美術館
①ナショナル・アート・ギャラリー
都心から少し離れたところにある国立のギャラリーです。私たちが行ったときには主にマレーシアの若手現代美術作家たちの作品が展示されていました。マレーシアの現代美術をまとまった数で見たのは初めてでしたが、決して他国に引けを取らない水準の高い作品が多く、たいへん面白い展示でした。ごく一部を紹介します。
↑こちらの四点はアセアン諸国の女性作家の作品。テーマは様々でしたが、タイ南部のイスラム系少数民族出身の作家の作品が多かったようで、マレーシアの人々の関心がどのあたりにあるかを伺うことができる展示でした。
そして以下が、2019年度のBMS(同時代若手作家展)の出店作品の一部。お客さんは若い人が非常に多く、女の子たちが作品の前で記念撮影をしている様子は日本では見ることができないもので新鮮でした。なんで日本人はあんなにかしこまった顔で芸術鑑賞をしてるんだろう。
↓Nur Amira Hanafi "Another us" 。
人の身体から取った微生物を、その人のプロフィールと共に展示する作品。微生物は会期中にも増殖し続けます。それを一種のダンスととらえ、小さなスピーカーでそれぞれのシャーレに音楽が流されていました。
↓Ho Mei Kei "Pengenalan Diri"
子供たちを中心に多くの人たちに自画像と自己紹介を書いてもらうというプロジェクト。多くの人が自分のイメージをすぐに絵にすることができず、スマホで自撮りをしてから描き始めたということです。2枚目は作家ご本人の自画像。何気なく混ざってました。
↓Joy Ng Mei Lok "Seed"
少女時代の孤独やトラウマを表現したという作品。服はマレーシアの小学校の制服だそうですが、糊やチョークで汚れています。足元にもチョークのかけらが。見ているだけで痛くなるような展示でした。
↓こちらは若手作家展とは別の展示ですが、茶化してるんだか本気なんだか分からない絵でした。
②マレーシア・イスラム美術館
イスラム諸国の美術や工芸の優品を集めた国立の美術館。ここに行くのは今回クアラルンプルで泊まった目的の一つでした。
外見は割と地味な建物なのですが、中に入るとこんな空間が。
展示は建築模型、陶器、金属工芸、写本などいろいろ。たいへん見ごたえがありました。
今回二つの大規模な美術館を訪ねましたが、いずれも日本ではなかなか見る機会のない展示で、施設も良く、マレーシアも芸術文化に非常に力を入れている国の一つであることがよく分りました。