高い場所からの眺め

 先日、ちょっと高いところに行きましたよ。

↑高層建築が一切無い、奈良の街。最近は地方都市でも高いビルが増えていますから、今やこういう眺めって貴重かもしれません。

↑このあたり、ちょっと変な景色じゃありません?

  • まず、奥に見えるのが、奈良ドリームランド東京ディズニーランドができるはるか前、1961年に、日本のディズニーランドを目指して開園しました。しかしその後の時代の波に取り残され、2006年に閉園しました。今は廃墟です。子どものころ、何度か行きましたよ。プールはけっこうはやってたと思うんだけど。
  • その手前、赤レンガの建物が、奈良少年刑務所。1908(明治41)年完成の貴重な近代建築ですが、用途が用途だけになかなか見学できません。設計したのは山下啓次郎さん。ジャズピアニスト山下洋輔さんのお祖父さんです。

 それにしても立派な建物ですよね。刑務所をよそに移転して、ホテルにするっていうのはどうでしょうか? 寝心地が悪いかな。

  • それから、手前には白壁に瓦屋根の団地。景観に配慮してか、最近の奈良にはこういうデザインの建物が多いです。
  • で、団地と刑務所との間に、瓦屋根の民家が連なっているのが見えますでしょうか。京街道沿いの街並みです。1180年12月28日、平家の軍勢が攻めてきた時に火が出たのがこの界隈だそうです。真冬のことであり、折からの北風で火事はたちまち燃え広がりました。東大寺大仏殿をはじめ、奈良の寺社や街のほとんどが灰燼に帰し、3500人あまりが焼け死んだと、『平家物語』に記されているのは有名な話です。ほんと、諸行無常ってこのことですよね。

  歴史が重なり合っています。


↑遠くに生駒山が見えます。山のあなたの空遠くには、サイワイが住んでいるわけじゃなくて、大阪です。やしきたかじんとか角淳一とか、そういうのが住んでいます。こうして見ると、奈良盆地って狭い。


↑瓦屋根がびっしりと並んだ「奈良きたまち」の街並み。