ごらん パレードが ゆくよ
パレード・ソング、という音楽ジャンルがあります。
いや、たぶんあるんでしょう。あるような気がします。
カーニバルのパレードは、いつもの街をあっというまに非日常の空間に変え、そして去っていきます。行ってしまった後には、少し高揚した気分と、いつもと変わらない街と、ほんの少しだけどとても深い寂しさが残ります。そんなパレードの気分が伝わってくるような曲を、パレード・ソングとぼくは言っているのです。
パレード・ソングの条件として、高揚と切なさ、明るさと物悲しさが共存する曲調であることと、タイトルか歌詞に「パレード」という単語が入っていることをあげておきましょう。不思議と、「パレード」っていうタイトルの曲が多いんだ。
なんといっても代表的な曲はあの、
- 山下達郎「パレード」
- アーティスト: 山下達郎
- 出版社/メーカー: Warner Music Japan
- 発売日: 1999/06/02
- メディア: CD
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でしょうね。「明日は明日さ祭りはこれから/二人で一緒に口笛鳴らそう/ごらん、パレードがゆくよ。ごらん、パレードがゆくよ」というサビの広がりと盛り上がりと切なさはパレード・ソングの真骨頂です。つじあやのもカバーしてましたよね。
- 谷村有美「パレード・パレード」
これなんか、タイトルにパレードが二つも入ってます。陽気なパレードをひとりで見ているときの人恋しさ。これもパレード・ソングの特徴ですね。「陽気なJAZZあふれてるニューオリンズ/毎日がお祭りの街/知らない自分に会いたくて/一人きり旅に出たのよ」。ニューオーリンズですか。今は行かないほうがいいと思います。
- アーティスト: 谷村有美,西脇辰弥
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1990/09/21
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- 堂島孝平「ロンサム・パレード」
ロンサムですよ。パレードなのに、ロンサム。孤独なんだ。タイトルからしてぼくのパレード・ソングのイメージにぴったりです。歌詞も孤独です。「僕らいつも すれ違っていくことばかり/なぜなんだなんて思って/全てに答えきれないまま」。パレードに孤独感はつきものなんです。
- アーティスト: 堂島孝平,中山努
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 1997/02/21
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- キリンジ「パレード」
もともと、キリンジがheacoのために書いた曲(Winter lovely Dayというタイトルで、歌詞もぜんぜん違います)だったのですが、アルバム「オムニバス」でセルフカバーしています。マーチ風のドラムがずっとダンダカダンダカと鳴っていて、元気なパレードみたいなんですが、メロディーにはどこか物悲しい感じもあって、歌詞もやっぱりただ明るいわけじゃない。「見ろよ ほらシャボン玉が屋根を越えた/悲しい出来事なんて/起こらないように/パレードがやって来た」。パレードはただ楽しいというより、日々の悲しみや痛みをひととき忘れるためのものなのでしょう。
- アーティスト: キリンジ,Brian May,堀込泰行,松本隆,片寄明人,堀込高樹,Randy Newman,加藤丈文,Chocolat
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/11/20
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- コーネリアス「ラブ・パレード」
なんだか、ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズに入ってる"Don't take your time"という曲(および、ピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」という曲)にそっくりなんですが、名曲です。「パレードは終わるいつの日か/すれ違ってくだけの人々をつないでいた/僕達はここで ありふれた夢だけ見てた」。ほらね、やっぱり終わるんです。
- アーティスト: Cornelius
- 出版社/メーカー: ポリスター
- 発売日: 1994/02/25
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- 原田知世「パレード」
トーレ・ヨハンソンプロデュース、ウルフ・トゥレソン作曲の、いわばスウェーデン産パレード・ソング。歌詞は原田知世さんが自ら書いていらっしゃいます(と、敬語になってしまう)。「遠く ああ遠く あの星あたり/声を投げてみよう」。そうです。パレード・ソングは、遠い非日常の存在への憧れなのです。
- ラウンド・テーブル「Brownie」
実にパレード的なメロディー。タイトルに「パレード」は出てきませんが、歌詞に出てきます。
「君のとこまで大きく響けシンバル 続いてゆくパレード どこまでゆくの」
- アーティスト: ROUND TABLE
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1999/01/27
- メディア: CD
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- フリッパーズ・ギター「Love and dreams are back」
これも歌詞に出てきます。それも冒頭にいきなり、「パレードのトロンボーンと 撃つためのドライフルーツ」というフレーズです。
この曲は歌詞全体にパレード感(?)があふれていて、「髪を長く伸ばしてみて/もとには何も戻らないと知るはず」とか、「気づくのはいつでも過ぎた後だろう」なんて、なんだか青少年期に特有の、取り返しのつかなさ、みたいなものがあふれています。素敵だ。
- アーティスト: フリッパーズ・ギター,double K.O.corporation
- 出版社/メーカー: ポリスター
- 発売日: 1995/05/25
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