そこには死者の霊もいない
ドイツでたずねた7つの都市のうち6つめは、ブランデンブルク州オラニエンブルクです。
ベルリン近郊の、緑豊かな平凡な住宅都市という感じなのですが、ここには歴史に不名誉な名を残したある施設があります。
「ザクセンハウゼン強制収容所」
ナチス政権下に、はじめは社会主義者など政治犯の収容所として作られたのですが、やがて浮浪者や、ジプシーなどの少数民族、そしてユダヤ人を収容する施設に変わっていったそうです。人類学や伝染病の「研究」も行われていた、というのですが、なんていうか……。なんて言えばいいのか。
ちなみに、第二次大戦後は、そのまんま丸ごとソ連の収容所として使われていたそうです。……これもまた、なんて言えばいいのか。
ベルリンは今日もカラッと明るい。この広い通りは有名なウンター・デン・リンデン。
あのですね、旅の途中で会ったドイツ人のほとんどは、驚くほど親切で、働き者で、素晴らしい人たちだと思いました。「なんて立派な国民だろう」というのが、偽らざる実感なのです。