あなたが何より嫌う、いささかナルシスティックな感動とともに


人は来て、人はゆきます。
僕たちの時間がキョムから出てキョムへ帰るのなら
この橋の上を、せめて僕たちだけのステップで歩いていきたいのです
踏みはずしたところで、落ちる先は同じキョムなのですから
 
そうは思わないか?

この街の空の下
あなたがいるかぎり 僕は 
きっと素面な奴でいたいんだ
子供の泣く声が 踊り場に響く夜
冷蔵庫のドアを開いて ボトルの水飲んで 誓いを立てるよ
 
欲望が渦を巻く海原さえ 
ムーン・リヴァーを渡るようなステップで
踏み越えてゆこう
あなたと
 
この僕のそばにいるだろう?
 
キリンジ『Drifter』)