ぐるぐる回って今さらだけど

微熱

微熱

 今さら何言ってるんだ、といわれそうなんだけど、最近この人の才能をあらためて感じています。川本真琴さんです。
 このCD,何年か前に中古シングルのワゴン売りで安く手に入れました。で、そのときは一度聞いてみて「何か変な曲」と思ってそのままお蔵入りになっていたのですが、最近なんとなく携帯プレイヤーに入れて改めて聴くと、なんかピリピリと来るんです、これが。
 唐突に展開する不思議なメロディーが、繰り返し聞いていると変に癖になるんです。不安定さとか、傷つきやすさとか、壊れやすさ。かつて私たちを振り回したそういうものが、ひしひしと蘇ってきて切ないものがあります。
 彼女がヒットチャートで活躍していた当時は、「面白い曲を書く、面白いキャラクターのシンガー」くらいにしか思っていなかったんですが。
 今になってやっと彼女の真価に気づいた、ということなのか。それとも歳を取ったゆえの単なるノスタルジー?