一日目
三連休を利用して関東を旅行してきました。といっても東京と横浜だけですけど。
富士山の頂にはうっすらと雪が。僕が新幹線に乗るとなぜかいつも霧が出るのですが、今回は例外でした。
ではなくて、これ。
ヴィルヘルム・ハンマースホイ展です。近代デンマークの画家で、静謐感に満ちた建築画や室内画が魅力。彼の絵の中の女性像(モデルは奥さんのイーダ)は、ほとんどが鑑賞者に背中を向けています。印象的な後ろ姿。うなじフェチだったのかも知らん。
会場は,国立西洋美術館。
かのル・コルビュジェが設計した現代建築で、フランスの提案で世界遺産候補に挙がっています。パリやロンドンほどとはいかないまでも、日本の首都にひとつぐらい世界遺産があってもいいよなあ。
少し時間が余ったので東京国立博物館にも足を延ばしました。上野は子どものころ以来だったんですが、博物館や美術館がたくさんあって楽しいです。国立のところだけでも共通券を作って地下でつないだら、旅行者には便利じゃないかな。
国立博物館ではまず大琳派展を見ました。大人気。混んでました。酒井包一の描いた、カキツバタに八橋の屏風が気に入りました。光琳をリスペクトしてリミックスした、江戸のポップアート。
あとは駆け足。こちらは法隆寺宝物館。
中には飛鳥仏がずらり。これほどのコレクションがなぜ東京にあるのか、分かっていても心情的に釈然としません。法隆寺に返すのは無理かも知れないけど、せめて奈良国立博物館に移せないんでしょうか。
そういえば、パルテノン神殿の破風にあったレリーフも、19世紀にロンドンに持ち去られ、大英博物館に収められたまま、ギリシャ政府が何を言おうが返還されないんだそうな。帝国主義……。
そのあと連れと合流。土曜日夕方の渋谷へ。さすがシブヤです。ルーズソックスを履いたガングロギャルの一団がたまごっちを片手に「痛快ウキウキ通り」と「東京は夜の7時」を歌っておりました。いやマジで。
例の109に連れて行かれましたが、狭さにびっくり。流行に疎い僕には、奈良ビブレとどう違うのかさっぱり分かりません。(109の写真は撮ってませんでした。ここに載せたのは金沢市香林坊の109です)
新宿。ヨドバシカメラのネオンがレトロでいい。
東京は遊びにいくにはいいけど、住みたくはないなあとしみじみ思いました。ソドムかゴモラかバビロンか。この夜毎の商業主義の狂宴の中にいて、脆弱な精神を正常に保つ自信がないよ。
夜は横浜に移動。ホテルに入りました。横浜も子どもの時以来。銀蠅とあぶない刑事とクレイジーケンバンドのイメージしかないや。
(二日目につづく)