須磨の巻

 先日のことでございます。遠く都を離れて、神戸の須磨でお花見をしてきましたのでございます。
 花の名所なら京都や奈良のほうがいいような気もするんですが、友人知人が割りと神戸に多いので、須磨寺の近くの公園で花見をしました。花見団子や寿司を食べたり、なかなかクラシックなお花見でした。海と桜、きれいでしたよ。でもここ二、三日の雨で、関西の平野部のソメイヨシノはもう駄目かなあ。
 それにしても、国道二号線沿いの神戸の街の変貌にはほんとうにおどろかされました。特に、JR六甲道の駅前は、以前は静かな住宅街だったと思うんだけど、今は高層マンションと店舗が立ち並び、すっかり都会になっていたのでショックを受けました。震災から10年を経て、神戸の街の本当の変貌が、目に見える形で現れてきているように思います。なんか、あまりにも現代的な都市になってしまった。歩く街、観光地としての魅力は減っちゃいましたね。京都なんかとはちがって、もともと歴史に生きる街じゃないし、震災によって失われたものは誰のせいでもないから、仕方ないんですけどね。少しさびしい。