ジャン=フィリップ・トゥーサンの「カメラ」
フランスの作家で、映画も撮るらしいんですが、ジャン=フィリップ・トゥーサンというひとがいますね。ぼくはけっこう好きで、文庫本が出るたびに読んでたんですが、そのトゥーサンの小説のひとつに「カメラ」というのがあって、その中で主人公が、拾ったカメラで適当に写真をとりまくるのが印象的でした。時間とか空間とかを切り取るとかそういうことなのか、よくわからないけど、カメラで写真を撮るのってなんか意味ありげですよね。
トゥーサンといえば、旅行記の中で京都とか奈良のことを書いてておもしろかったです。京都に関しては、三条通の路面電車がなくなってた、とかずいぶん京都通なところも見せてましたが、奈良については、うらさびれたストリップを見に行ったことしか書いてなかった。
そういえば、猿沢池の近くに、たぶん奈良で唯一だと思うけど、ストリップ劇場があるんですな。何年も前に、平日の朝10時ごろにたまたまその前を通りかかったら、蝶ネクタイをしたお爺さんの客引きに「兄ちゃん、見て行かへんかあー?」とか言われて、あわてて跳んで逃げたことがあります。いったい、平日の朝10時にどんな人がストリップなんか見るっていうんだろうね。
ところで、そういえば、トゥーサンってフランス人じゃなくてベルギー人だっけ。かの名探偵ポワロ氏も、フランス人と間違われて「ベルギー人ですムッシュー」とか言ってますな。
- 作者: ジャン=フィリップトゥーサン,Jean‐Philippe Toussaint,野崎歓
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/06
- メディア: 文庫
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