中世の黄昏

室町少年倶楽部 (文春文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1998/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 以前、NHK衛星放送のブックレビューで紹介されているのを見て以来、読んでみたかった本。古本…

いい日旅立ち

キップをなくして作者: 池澤夏樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/07/30メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (61件) を見る キップを失くした子は「駅の子」になって、改札の内側で生活することになる……という設定が実に魅力的なファ…

祇園祭のあと

この本を読みました。 屏風絵に描かれた(伝・狩野永徳)の京都の街並みをつぶさに検証すると、1547年の風景であるらしいことが分かったそうです。 京都・1547年―描かれた中世都市 (イメージ・リーディング叢書)作者: 今谷明出版社/メーカー: 平凡社発売日: …

筒井康隆再読

筒井康隆の長編を二冊、ひさしぶりに読みました。「残像に口紅を」と「パプリカ」です。「パプリカ」、やっぱり面白かった。筒井康隆の代表作、とは言えないだろうけど、バランスの取れた傑作で、見方によっては最高傑作と言えるんじゃないかと僕は思います…

長いお別れ

先日、チャンドラーのことを書きました。 村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のことも書きました。 で、最近知ったんですが、なんとチャンドラーの「長いお別れ」が村上春樹訳で出るんですと。(今年中かな?) これはなー、ハードカバーでも買わず…

ウエストコーストの先にある国

そして、前回書いた「カサブランカ」の影響で、またチャンドラーなんかを読み返しています。ただいまアメリカ・モードです。普段はどちらかというとアメリカ嫌いを自任しているのですが、日本の伝統を愛そうとしてみても、ヨーロッパの歴史に敬意を抱いてみ…

面白いですか?

ダヴィンチ・コードという本が、映画になったり文庫になったりでまた話題になっているようです。ちょっと読んでみたいなあとも思うんだけど、ちょっと待てよ、その前に。フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)作者: ウンベルトエーコ,Umberto Eco,藤村昌昭出版…

ライ麦畑のキャッチャー

大阪駅の中にあるニューヨーク風(なのだそうですよ、インテリアが)の書店に寄って見ていると、平積みになってましたよん。 キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)作者: J.D.サリンジャー,J.D. Salinger,村上春樹出版社/メーカー: …

後味の悪いイシグロ的悪夢

わたしたちが孤児だったころ、イシグロは日本人だった。俺は名探偵で、アキラは日本兵だった。わかるかなあ。わかんねえだろうなあ。イエイ。 一気に読んでしまったんだけど、カズオ・イシグロの「わたしたちが孤児だったころ」は、作者に振り回された挙句、…

石黒一雄の小説が文庫になってました。

本屋で発見。買わずばなるまい。わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,入江真佐子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (31件) を見る…

CD付きっていいね。

ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち作者: ポール・オースター,村上春樹,カズオ・イシグロ,リチャード・パワーズ,レベッカ・ブラウン,スチュアート・ダイベック,シリ・ハストヴェット,アート・スピーゲルマン,T・R・ピアソン,柴田元幸出版社/メ…

ふらんすへ行きたしと思へど

フランスって割りと遠いので、カフェオレでも飲みながらこんな本読んでください。 パリ歴史探偵術 (講談社現代新書)作者: 宮下志朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/05メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る この本の中で僕が…

これ読みました。

舞踏会へ向かう三人の農夫作者: リチャードパワーズ,Richard Powers,柴田元幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2000/04メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 59回この商品を含むブログ (74件) を見る おもしろかった。おもしろかったです。久しぶりのヒッ…

A 貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2005/12メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (50件) を見る

駅で電車を降りて、そこから自転車で家に帰らなきゃいけないんだけど、あんまり寒いのでちょっと喫茶店(ベーカリーカフェみたいな)に寄って、そこで読んでしまいました。面白いですよ。なかなかよかったです。しかしこの人は随分たくさん本を書いてますね…

というわけで

開高健の「ベトナム戦記」を買って読みました。開高健って、あんまり読んだことないんだけど、うまいですねえ、文章が、とても良い。ちょっと嫌味なぐらいですが。 ベトナム戦争中に南ベトナムを訪れた日本人は大勢いるんですね。何冊か読みましたよ。この順…

猫写真

ニッポンの猫 (新潮文庫)作者: 岩合光昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/07/30メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (37件) を見る 地下にあるちょっと汚い古書店で購入。上手いなあ。情景もいいなあ。猫写真って難しいと思う。

舞踏会へ向かう三人の農夫

量販古書店で、安かったので購入。分厚い本だけど、面白そうです。一枚の古い写真から広がる想像力。訳者は柴田元幸氏だしね。舞踏会へ向かう三人の農夫作者: リチャードパワーズ,Richard Powers,柴田元幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2000/04メディ…

あの世で罰を…。

i-radioの「キキキリンジ」で知ったキリンジの本、「あの世で罰を受けるほど」が発売になったので早速入手。 あの世で罰を受けるほど作者: キリンジ出版社/メーカー: ぴあ発売日: 2005/12/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 42回この商品を含むブログ (…

女性作家

ぼくはもともと女性作家の小説はあまり好きじゃなく……と思っていたのですが、なんだか最近読んでいる作家は小川洋子とか柴崎友香とか女性作家が多いんですよ。なんででしょう。時代的なものかなあ。でも今読んでるのは日野啓三の「抱擁」です。なんかじわじ…

せっかく梅田に出たので

紀伊国屋に行って、本を購入。これです。 青空感傷ツアー (河出文庫)作者: 柴崎友香出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/11メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (66件) を見る 柴崎友香さんの本を読んだのは、「きょうのできごと」に…

博士の愛した数式

読みましたー。読んでしまいました。 もともと好きな作家なんだけど、ベストセラーになって、ちょっと「??」と思ってたんだけど、文庫になったので、読みました。 野球…数学…。 どっちもわりと苦手な分野なんですが、博士の人柄が良い感じで、楽しんで読め…

中島敦全集2冊目

ちくま文庫の「中島敦全集」というのがあって、ちょっと分厚めの文庫本なのだけど、これ、全3巻しかないんです。32歳の若さで夭折した仲島。たった文庫本三冊だけしか作品を残せなかったんですね。 僕にとっては、地理的に少し身近に感じている作家でもあり…

ふしぎな図書館買ったのだ。

ふしぎな図書館作者: 村上春樹,佐々木マキ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/02/08メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (130件) を見る 買いました。 文章は幾分書き直されていますが、お話は「カンガルー日和」に収められている「図書館…

アフリカの太古トントントトントントントトントン

古本屋でふと手に取ったこんな本。 グレートジンバブウェ―東南アフリカの歴史世界 (講談社現代新書)作者: 吉國恒雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/10メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る 買って電車で読み始めたんだけど、…

るーららー宇宙の風にのーるー

小林信彦「小説世界のロビンソン」を久しぶりに読んでます。 ほんとにこの小林さんは、「具眼の士」「孤高の人」という称号がふさわしいひとですね。この「ロビンソン」を最初に読んだときは、僕はまだリチャード・ブローティガンもジョン・アーヴィングも読…

その後の寒月君

ちくま日本文学全集の「寺田寅彦」を、ブックオフで発見、購入。明治から昭和にかけて活躍した物理学者で随筆家ですね。 この人、「吾輩は猫である」に出てくる水島寒月くんのモデルだと言われていますが、エッセイを読んでいても、いかにもそんな感じがしま…

未亡人の一年たちまち読んだ

ジョン・アーヴィング「未亡人の一年」ですが、あっという間に読んでしまいました。アーヴィングの小説は、読む前はちょっと気が重いんだけど、一旦軌道になると、止められない止まらないです。これがどうなるのか、あれは何だったのか、彼は誰だったのか、…

今日買わなかった本

どうしようかなあ、と思ったんだけど、買いませんでした。伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」。 オーデュボンの祈り (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/11/28メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 154回この商品を含むブログ (83…

今日買った本。

ジョン・アーヴィングの「未亡人の一年(上)」を購入。 アーヴィングは今までに「ホテル・ニューハンプシャー」と「ガープの世界」を読みました。もう何年も前ですが。なんていうか、どちらもすごい小説でした。何もかもが過剰っていうか。性と暴力に満ちた…

小川洋子「沈黙博物館」をまたちょっとぱらぱらめくったりして。

沈黙博物館 (ちくま文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (63件) を見る 去年の、いつごろだったか、急に小川洋子の小説にはまって、どんどん読んでは買って読んでは…