鬼の城

 5月に行ったのですからすごーく今さらの感があるのですが、せっかく写真を撮ったのですからアップします。
 岡山県の「鬼ノ城(きのじょう)」という城跡です。

 日本の城跡と言えば、普通は戦国時代や江戸時代のものですが、ここは珍しい古代の城郭跡です。

 普通の日本の城とは異質な、版築の城壁が復元されています。7世紀後半、白村江の戦いで唐と新羅に敗れた朝廷が百済の技術を導入して築いた、いわゆる「朝鮮式山城」の一つとみられてますが、記録が一切残っていないため、はっきりしたことは分かっていません。

 高い山の上にあるので、素晴らしい見晴らし。敵軍が来ればすぐに分かったでしょう。

 敷石がよく残っています。長い城壁に沿ってぐるっと歩くことができますが、一周すればかなりの距離。

 城壁の大半は土塁ですが、水の通り道になる水門や、城門の周りは石垣になっています。石垣と言っても、中世の城とはどこか違う古拙な味わいがあります。

 やはり日本とは思えない、外国の古代遺跡に来たような不思議な雰囲気。

 「鬼ノ城」という名は、桃太郎伝説と関係があるとか。
 実は、この城を目指して出かけたわけではなく、近くまで来て初めてその存在を知ったのでしたが、大変興味深い遺跡でした。そうとうな城好きでもここは訪ねたことが無いという方が多いんじゃないでしょうか。おすすめ。