街にアートがやってきた。
400年の歴史を誇る……とは言うものの、なんということもなく、ごくごく地味ーな我が街、大和郡山であります。だいたいここ奈良県で「400年の歴史」なんて、自慢できるほど古いとも言えないですしね。
しかしだ。地域型アートイベントが大流行している昨今、とうとうこの街にもやってきましたよ。県が中心となって県下各所の古い町並みで開催している「奈良・町家の芸術祭HANARART」の会場のひとつになったのです。
会場が近所ばかりなので、ぶらりと歩いて回ってきました。
見慣れた街の風景のなかに、アート作品が唐突に挿入されているおかしさ。地元の人間にしか味わえない異化効果があるんじゃなイカと思います。
神社にも。
街いちばんの老舗の和菓子屋さんにも。
歴史的文脈から言っても、作品のおもしろさからいっても、もっとも気に入った会場は、ここ。↓
つきあたりに正面が見えている、三階建ての木造建築、旧川本邸。大正末期に建てられたこの建物、実はかつては伎楼でありました。このあたりは江戸時代以来の高級遊郭で、戦後に廃業されて久しい今でも、こういった建物がいくつも残されているのです。
現在は市の所有になっていて、普段は内部は見られないのですが、今だけは現代美術の展覧会場として公開されています。
なにやら毒の花が咲き乱れるような。
会期は10月30日まで。