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ほにゃららの終焉

 
 昨日の夜、三人でパスタとかケーキとか食べた後で、ぼんやり紅茶を飲んだりしてしゃべっていて、ふと気づいた訳です。つまりね、僕の「若い頃」は、この一年ほどの間で完全に終わりを告げていたのだということにですよ。最早どんな意味でも、僕は「若者」では全くないのだということにですよ。

 ケンカしたとか、本(いちおうね)が出たとか、家族構成が変わったとか、引っ越したとか、仕事上のポジションが変わったとか、いろんな出来事のうちのどれがどんなふうに作用してるのかは分からないけど、確かにここ一年ほどの間で何かが変わっていったようです。いや、年齢を考えれば何を今さらっていう話だけど。

 別に「イノセンスの喪失」とかそういうことではないんだよ。僕の中のある部分は相変わらず鬱陶しいほどイノセントなままで僕の足を引っ張り続けている。人に寛容になったわけでもなく、不寛容になったわけでもないです。社会にしっくりと適応できたわけでも、悩みが無くなったわけでもなく、確乎たるアイデンティティが築けたわけでもない。ただ――

 ただ、何なのかは分かりません。僕は自分がもう何かから降りてしまった、どこかから退場してしまった、という気がしたのです。
 成長とか成熟とかそんなんじゃない気がする。物理的時間が、社会との位置関係の変化が、僕をそこから押し出してしまったのだと思う。

 スマートフォンがくるくるする世界の中で、君たちと同じテーブルに向かって、僕はそんなことを考えていたのです。