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平日にお休み

奈良

 今日はお休みでした。三つ目の原子炉が爆発しました。
 市内に出たついでに、東大寺に行ってきました。大仏さんに会いたくなったのです。


 聖武天皇により鎮護国家の寺として建立されてから一千二百数十年、東大寺は日本国家とともに数々の歴史的危機を乗り越えてきました。大仏さんも、幾多の自然災害と戦乱に傷つき、そのたびによみがえってきました。

 大仏さんは盧舎那仏です。ブッダその人の姿であるとともに、相互に支え合い輝き合う全宇宙の象徴です。ミクロコスモスの形をしたマクロコスモスです。
 そしてこの、満身創痍の奈良の大仏さんは、いくつもの困難を乗り越えて来た日本人の、集合的な自刻像とも言えるでしょう。

 人出はやや少ないようでしたが、東の方から来たらしい修学旅行生たちもいたし、欧米系の観光客もいました。

 どうしても、祈りの対象というより観光の対象と見えてしまう大仏さん。なにしろ大きすぎます。どこに向かってお参りすればいいのかもよく分からない。
 でも今日は、大仏さんに手を合わせたまま、僕はしばらく動けませんでした。
 外国人の旅行者が僕を写真に撮っていたようです。「ハイテク国家日本の、今なお敬虔な民衆」みたいな?
 
 聖武帝の祈りは今も受け継がれ、絶えることがありません。
 どうか僕らをお守りください。どうかこの国をお守りください。