夏目漱石氏の最後の挨拶

道草 (新潮文庫)

道草 (新潮文庫)

 ふと漱石が読みたくなって、こんなん読みました。漱石が完成させた最後の長編です。(「明暗」が未完だから)
 いやー、面白かった。百年も前の会話に、ひしひしと感じてしまうリアリティ。漱石は、なぜかしらん、「現代文学」として読めてしまいます。封建時代から抜け出したばかりの明治の日本が、これほどの作家を生んだなんて。フロイトの同時代人なんだもんなあ、この人。
 文章のお手本にしたい、漱石先生。でき得れば、新作を読みたいものです。