誰も興味を持たないであろうベトナムの話
グーグル・マップを見ていると、いろいろ発見があります。
えーと、今からお話しするのは、たぶん、ほとんど誰も興味を持たない話。
下の衛星写真をご覧ください。
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星のようなこの形、ベトナムの地方都市、バクニンです。
函館の五稜郭によく似ていることにおきづきかと思います。これは、五稜郭と同じで、近世ヨーロッパ式の星型要塞です。フランスのヴォーバンがその築城術を完成させたことで有名。
ベトナムの地図を見ていてこれに気づき、ちょっくら探してみると、あるわあるわ。ベトナム中部の主な地方都市のほとんどに、こういった星型要塞があるのです。
そして何と言っても極めつけは、古都フエ。↓
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旧市街全体が、星型の城塞に囲まれています。壮観。
こんな城塞群があるとは、今まで全然知らなかった。僕の読んだ、ベトナムに関するどの本にも書いてませんでした。もちろん知ってる人は知ってるんでしょうが。
見たところ、こういった要塞は、ハノイやサイゴンの周辺には少なく、中部に集中しているようです。となると、おそらく、中部のフエを都としていた阮(グエン)王朝の時代に、都の防衛のために作られたのでしょう。あるいは、北部や南部のものは、仏領時代に破壊されたのかもしれません。フランス統治時代、南部はフランスの直轄植民地、北部はフランス保護領、中部はフランス保護国の安南国だったので、多少事情がちがったのかも。面白いなあ。
いや、何が面白いって、何が面白いかうまく説明できんのですが。
星型城塞ファン、というものがもしいるとすれば、ベトナムは案外宝庫ですよ、という話。