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いつか王子駅で

いつか王子駅で (新潮文庫)

いつか王子駅で (新潮文庫)

 高等遊民みたいな時間給講師が、下町の人々と触れ合いながら、本のことを考えたり、一杯飲んだりしながらゆらゆらと生きていて、なんていうか、ちょいと文学的すぎるし、作中で文芸評論が始まってしまうようないつもの文学趣味も、題材が近代日本文学であるせいかいささか鼻につくし、文章があまりに、あんまり精緻に上手すぎて、さりげなさげなフリをしてめっちゃ技巧的で、なんか文学の教科書通りみたいな気もして、しかし、しかし……この本、好きだなあ。こういうのが読みたいんだよなあ。中学生の咲ちゃんがやたら可愛いんですが、今風の萌えとかなんとかそういうのとは程遠いながらも、しかし堀江さんてひとは、年齢を問わず、ほんとに女性が好きなんだなあ。