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不思議の国のイトー・ジャクチュー

 先週末のことをいまごろ書くのもアレなんだけど、滋賀県MIHO MUSEUMで開かれている秋季特別展「若冲ワンダーランド」に行ってきましたよ。
 いわゆる「奇想派」の画家として知られる伊藤若冲の魅力については、いまさら僕なんかがあれこれ言ってもしかたない(し、どっちかというと奇想派ってあんまりすきじゃない)んですが、とても見ごたえのある展覧会でした。面白かった。
 目玉は、なんといっても「象と鯨図屏風」。昨年、北陸の旧家で発見されたもので、MIHOが入手して、今回初公開されました。
 墨一色で書かれた大作です。六曲一双の屏風の左隻では、黒い鯨が波間から頭を出して潮を吹き、右隻では真っ白な象が、鼻を高く掲げて座っています。
 にたにた笑っている象が可愛くて面白いので、この絵のデザインのクリアファイルを買いました。
 それにしても、若冲の絵には、18世紀に描かれたとはとても信じられない現代的なセンスが感じられます。旧弊な封建時代であったと思われる日本の江戸時代が、同時に、成熟した都市文明の時代でもあったことを、あらためて不思議に感じるのです。
 日本人にとって、江戸時代とは何なのでしょうか?

 MIHO MUSEM秋季特別展・若冲ワンダーランド。会期は12月13日(日曜日)までです。
(「日曜美術館」風に)

 さて、若冲の絵もワンダーランドなのですが、このMIHOの空間や建築もまた、かなりのワンダーランドです。エントランスでチケットを買った後、数百メートルの道を歩いて本館へ行くのです。
 近未来的なトンネルを抜けると、深い谷に橋がかかり、古民家を思わせる形のガラス屋根をいただいた建物が見えてくる……。



 ルーブル美術館のガラスのピラミッドを作ったことで知られる建築家、I.Mペイ氏による設計で、「桃源郷」をイメージしたそうな。すごすぎる。どんだけ金かかっとるねん……。

 それからMIHOには、地中海・中近東美術を中心としたすばらしい常設展もありますので、こっちもおすすめっす。僕のお気に入りはエジプトのネコさんと、でっかいガンダーラ仏です。