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ニッポン画と日本画と

京都 美術

 久しぶりに京都へ。
 今回は「山本太郎展〜ニッポン画物見遊山〜」を見に行きました。会場は、京都駅ビル内のデパート、JR京都伊勢丹にある、美術館「えき」KYOTO。

(京都駅)

 山本太郎氏の提唱する「ニッポン画」というのは、伝統的な日本画のモチーフや手法や支持体を用いながら、現代日本の混淆的・折衷的な文化状況を諧謔味いっぱいに盛り込んで描くものです。
 たとえば、金箔を施した屏風に描かれた琳派風の朝顔の蔓が、竹垣とかじゃなくてフェンスにからみついていたり。これも琳派風の山水図の屏風に、ドライブウェイや信号機やJAL機が描き込まれていたり。そして、缶の口から流れ出すコーラが、赤と白の光琳水になっていたり。
 言葉で説明しようもないので、興味のある方は下のサイトをご覧ください。
 http://www.h7.dion.ne.jp/~nipponga/menu.html
 面白いなあ、と思うと同時に、なんとなく歯がゆい感じもしました。素人が何も知らないでこんなこと言うのも変だけど、日本画としての技術は「ため息が出るほど素晴らしい」とは言えない感じがしたし、表面的な図像の組み合わせの面白さにとどまっている部分があるような……。でも最近の作品ほど、構図も美しく、題材も日本の伝統的モチーフや現代社会をより深く掘り下げたものに変化しているように思えます。2007年VOCA賞を受賞した今回の目玉、「白梅点字ブロック図屏風(http://www.ueno-mori.org/tenji/voca/2007/visual_index.html)」なんか、シンプルな構図と色使いで、なかなか好きです。

 そのあと、西本願寺と二条城へ。王道中の王道でありながら、行ったことが無かったのです。
 本願寺の17世紀の建築もすごかった。継ぎ目もヒビの一つも無い柱や、ものすごおおおく分厚い縁側の板や。武家政権に押さえ込まれて東西に分割されたとはいえ、戦国以来本願寺が持っていたすさまじい力を感じさせます。

西本願寺総門前。このへんは昔の寺内町で、仏具屋さんや数珠屋さん、袈裟屋さんがたくさん)

(境内にて。全国の門徒の人々が団体で来られるようです。境内の雰囲気は、天理教本部に似てる? 両方からお叱りを受けそうですが……)
 しかしなんといっても面白かったのは二条城二の丸御殿の障壁画ですね。
 http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/syoheki.html
 あまりにもベタな観光地で、人が多すぎるのが難点。また、障壁画というのは薄暗いところにあるので見づらいのですが、オール狩野派の華麗な作品の数々は、四百年近い時を経ても迫力を失っていません。絵画であると同時にインテリアでもある障壁画の、部屋いっぱいを使って構成された構図が、おどろくほどモダンに見えました。
 やっぱり本物は本物。パロディやリミックスというのはそれだけのものでしかないなあ、と、山本太郎氏がどうこうというのではなく、現代という時代を淋しくも感じました。

 で、最後は、最近気に入っている姉小路通りを堀川から寺町まで歩きました。木の看板を掲げた老舗や、古い町家の連なりなどを残しながら、あたらしいショップも増えている、今の京都らしい通りです。一本北のだだっぴろい御池通りとも、一本南のモダンでにぎやかな三条通とも、全然違ってて面白い。
 室町姉小路西入ルに、citron sucre(http://www.speem.com/citron/sucre/)という可愛いお菓子カフェができてました。すごく雰囲気のいいお店で、お菓子のいいにおいがします。窓側のカウンターの席で、姉小路通りを行きかう自転車をながめながらココアをいただきました。

(シトロン・シュクレ)

(同店内)

(こちらもケーキ屋さん)





(いずれも姉小路通り。都心にありながら、まだまだ古い京都の雰囲気を残しています)

 京都は唯一無二の都市。やっぱり楽しいです。