全国的なニュースの中心に足を踏み入れたのは、震災以来です。

 JR大阪駅は明らかに普段より人が少なくて、マスクの人も目立ちました。着用率は三割前後だったでしょうか。
 阪急梅田駅周辺へ行くともっと顕著で、いつもは歩きづらいほど人の多い連絡通路が閑散としてて、歩いている人の半分はマスク着用。見ているだけで息苦しくなります。しかし、どんなにおしゃれな女の子でも、ぱりっとしたビジネスマンでも、マスクしてたらなんかみんな同じように見えますね。
 マスクのせいか、日頃にぎやかな高校生や大学生がいないせいか、街は薄気味悪いほどしんと静まり返っていました。マスクをした人々が黙々と歩いている様子は、現実離れして異様です。小松左京氏の「復活の日」を思い出します。

 マスクって、毎日換える必要があるらしいけど、そんなに供給できるものなんでしょうか。ちなみに、奈良でもすでにマスクは入手困難です。マスクには効果がないという人もいるみたいだし、なんだか何をやっても無駄なんじゃないかという気になります。水際対策も、結局無駄だったみたいだし。鎖国時代ならいざしらず、島国とはいえこんな時代に「水際」っていう発想自体が無理だったのかもしれません。

 今、東京あたりに行って関西弁を話したら、いやな顔をされるんだろうなあ。ワイドショー的メディアが関西人差別をはじめなきゃいいけど。関西人とB型って、バラエティー的にはわりとおおっぴらに差別されてるような気がするし……などと、だんだん被害妄想じみてきますな。*1

 しかし、中央メディアと関西との温度差に、もやもやとした居心地の悪いものを感じるのは事実。なんか、他人事なんですよね。神戸の震災のとき、まだ何千人もが生き埋めになっているのに、「この規模の地震がもし東京で起ったら」などと言ってた中央(=東京)のメディア。*2僕はどうも信用できません。

 橋下大阪府知事が張り切ってがんばってます。橋下さんは道州制推進派で、関西連合もまもなくスタートするようですが、たしかにこういうとき、関西全体の先頭に立って取り仕切る大統領的な人がいてくれたらいいかもしれないなあと思いました。大阪と一体の通勤圏となっている奈良や京都にとっても、対岸の火事では全くありませんから。

 などと言ってるうちに、なんと僕のところも流感予防のために一週間休業になってしまいました。ついこないだまでメキシコのニュースだと思ってたのに、とうとうわが身に降りかかってきました。暇な時間、どうしよう。「デカメロン」とかカミュの「ペスト」とか読んでみようかなあ。

デカメロン(上) (講談社文芸文庫)

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ペスト (新潮文庫)

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*1:しかし、北九州市の対応を見ていると、妄想とも言えなくなってきましたね。今までメキシコあたりからの帰国者にもあそこまでの措置は取らなかったのに。少なくとも、今北九州に行こうとは思いません。関西のアクセントに気付かれたら石をもって追われそうな気がします。

*2:それから、震災直後に、社会党の分裂騒動と絡めて「政界も激震だな」とか言ってた某議員。ついでに、「私は関西にも地震の危険があることを訴えてたのに、関西の人間は耳を貸さなかった。どうせ、関西ではストーブが倒れても消えるように作ってないのだろう」とか言ってた某地震学者も。