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何年も本棚で眠っていた二冊

 読みました。

すいかの匂い (新潮文庫)

すいかの匂い (新潮文庫)

 江國香織さんの小説には、何て言うか、言葉から身体を通してじわじわと浸透してくるようなものがあります。こういう安直な言い方をするとフェミニズム方面から嘲笑されそうだけど、それは、とても女性的な何かのような感じがします。いちおう男性である僕は、女性性の侵入を受けて「うわあ」とばかりに本を放り出しそうにもなるのです。
 十代はじめの少女たちを主人公にした短編を集めた、これは連作というべきでしょうか。女でもあり、同時に子供であることの、儚さや図太さや気味悪さ。死の気配や、異様な存在として迫ってくる他者たち。男たちの視線や侵犯の対象であるということ。バルネラビリティ。そんな自分たち自身をうすぼんやりと眺めているような、またそんな世界となんとなく結託してもいるような主人公たちの、うすぼんやりとした自我。
 うーん。ホラー小説みたいでした。おもしろかった。

宗教学講義―いったい教授と女生徒のあいだに何が起こったのか (ちくま新書)

宗教学講義―いったい教授と女生徒のあいだに何が起こったのか (ちくま新書)

 戯曲仕立てになった不思議な本。部分部分はすごく面白かったんだけど、頭のめぐりの悪い僕には結局なんだかわかりませんでした。だれか説明してくれ。