二日目


 2日目が、今回のわれわれの旅行のメイン。三年に一度の現代美術の祭典、横浜トリエンナーレに行きます。

 関内のホテルから馬車道を歩きます。



 関内は近代建築の沢山残る綺麗な街です。和風の要素が街にほとんど見当たらないのには感心します。神戸以上に西洋的な街という印象。外国の街みたい。いいなあ。



 横浜トリエンナーレのメイン会場は横浜港に近い3つの施設です。
 内容は、だいたいこんなの。






 率直に言って、期待以上の内容ではありませんでした。ボランティア中心と思われる会場スタッフの仕事ぶりにもやや不満が残りました。しかしそれでも、こういうお祭りというのは楽しいものです。

 一番気に入ったのはペドロ・レイエスのBABY MARXという映像作品。カール・マルクスをはじめとする左翼運動のヒーローたちが、ひょっこりひょうたん島みたいな人形となって楽しく踊り、アダム・スミススターリンと闘います。





 毛沢東は正義の味方か? スターリンだけを悪者にすれば済むのか? 近現代の血塗られた歴史を前に不謹慎ではないか?

 いろんな疑問も感じますが、作者はそのようなことを踏まえた上で、左翼思想に期待を寄せてきた弱い立場の人々に暖かく共鳴する心情も持ちつつ、血まみれの近現代史をあえて愉快で可愛い物語としてアイロニカルに単純化して見せたのかなと思います。

 そう思うと、この人形たちがひょっこりひょうたん島のキャラクターたちに似ていることもうなずけます。左翼思想が思い描いた理想社会も、海をただようひょっこりひょうたん島も、ともに言葉の本来の意味でのユートピア(=あり得ない場所)であることを、レイエスも観客たちも当然のこととして知っている時代だということではないでしょうか。大学生くらいの女の子たちが「かわいー」と笑っていたのが印象的でした。団塊世代のおじさんたちがどう反応してたかも興味深いですけど。

 トリエンナーレを見たあとは、夜の関内を散歩して中華街へ。




 中華街、楽しいですね。本当の中国にはあまり似てないかも知れないけど、横浜に来たなあ、と実感。パンダグッズでも買おうかと一瞬思ったけど、後で持て余しそうなのでやめました。夕食はもちろん中華料理。うまかったです。

(三日目につづきます)