偉大なるフィッツジェラルド――略して「偉(えら)・フィッツジェラルド」

 

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

 いや。面白かったです。あんまりハイスピードで読んでしまってはいけないと思って、第4章で一旦やめてまた最初から読み直したりしました。そして胸を締め付けられるようなラスト。小説を読んでこんなに心を掻き乱されたのはずいぶん久しぶりでしたよ、オールド・スポート。
 この本、実は野崎孝訳の文庫版で以前にも読みかけたことがあったんだけど、途中で止まってしまってました。今回ハルキ訳で再挑戦して、ようやくこの偉大なる喪失感に触れることが出来たのです。
 考えてみれば、村上春樹さんが翻訳なさった本と、野崎孝さんが翻訳された本とは、ずいぶん重なっていますね。以前の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」しかり。今度の「ギャツビー」もしかり。