その後の寒月君

 ちくま日本文学全集の「寺田寅彦」を、ブックオフで発見、購入。明治から昭和にかけて活躍した物理学者で随筆家ですね。
 この人、「吾輩は猫である」に出てくる水島寒月くんのモデルだと言われていますが、エッセイを読んでいても、いかにもそんな感じがします。市電の混雑にどうして波があるのか、というテーマで観察と数式を駆使した「電車の混雑について」の筆致は、まさにあの「首くくりの力学」そのものですね。寒月君、あれからも元気で、昭和まで活躍してたんだなあ。
 

ちくま日本文学全集 (35) 寺田寅彦

ちくま日本文学全集 (35) 寺田寅彦