猫をめぐる冒険 ―猫を知るためのブックガイド―

その一

なぜ、猫とつきあうのか (河出文庫)

なぜ、猫とつきあうのか (河出文庫)

 このひとはなんかすごく有名な人ですよね。思想家なのかな。小説家の吉本ばななのお父さんですね。
 「言語にとって美とは何か」とかむずかしいことを言ってる人が、こんなに猫が好きとはしらなかったです。頭のいい人だけに、並みの猫好きには思いつかないような鋭い指摘や深い考察がたくさんあります。
「猫とつきあう」という表現が良いですね。「猫を飼う」というのとは違う感じがする。

その二

猫、この知られざるもの―心理と神秘 (中公文庫)

猫、この知られざるもの―心理と神秘 (中公文庫)

 著者はフランスの―じゃなくてベルギーの獣医学界の大物らしいです。「猫の夢」「猫の方向感覚」「猫の心身医療」など、行動と心理について広く網羅した、小さな本ながら、猫学大全とも言うべき名著です。猫の幽霊とか、テレパシーとか予知能力とか、あんまり科学的じゃないけどおもしろい不思議な話も出てきますが、洋の東西を問わず、猫は古来人間にとって神秘だったということでしょうか。

その三

猫文学大全 (河出文庫)

猫文学大全 (河出文庫)

 熱狂的な猫好きで「半猫人」を名乗る英文学者/翻訳家の柳瀬尚紀氏が集めて訳した、猫に関する文学作品のアンソロジーです。マーク・トウェインにサキにサルトルなどなど、有名どころがそろってます。そのうえ挿絵にはゴヤシャガールピカソ、クレー、ルソー、フジタなど大物画家の手になる猫絵画まで使われていて、なかなか豪華です。

その四

ふわふわ (講談社文庫)

ふわふわ (講談社文庫)

 猫好きの村上さんと猫嫌いの安西画伯による奇蹟のコラボレーションでつくられた絵本。いいですね。ふわふわ。